大会2021年度【第4報】
2021年度経済地理学会総会および第68回大会は,下記の要領で開催されます。
◆日 程:2021年5月28日(金)~30日(日)
5月28日(金) 常任幹事会
5月29日(土) 10:30-12:00 評議会
13:00-17:30 共通論題シンポジウム
5月30日(日) 9:30-11:30 フロンティアセッション
11:40-13:00 総会
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,懇親会,エクスカーション,一般研究発表,ラウンドテーブルは中止いたします。
◆会 場:オンラインによる開催となりました。参加費は無料です。参加方法は学会ウェブサイトにてお知らせいたします。また,参加にあたっては総会案内とともにお送りいたしました大会パスワードが必要となります。
◆共通論題シンポジウム
テーマ:価値づけの経済地理学
趣旨:現代社会において,モノやサービスの「価値」は物質的にのみ決まるのではなく,社会的に決まるものでもある。つまり,モノやサービス,さらには場所までも,人々の認知および社会的関係の中で価値をつけられていく。また,機能性や利便性だけではなく,審美性,倫理性,ある種の情動の喚起など価値を測る物差し自体が多様化している。
こうしたモノ,サービスや場所に対する価値づけは,それらに経済的な利益・レントをもたらし,それがどのような主体に,そして空間的にどのように分配されるかによって地域の経済発展に影響を与える。本シンポジウムでは,こうした価値づけをめぐる諸問題を経済地理学の視点から考察したい。
さらに,価値づけをキーコンセプトにすることによって,農業地理学や工業地理学あるいは商業地理学など,経済地理学の様々な分野を横断する議論を提起したいというのが本シンポジウムのもう一つの狙いである。例えば,農産物のブランド化,商店街の活性化,製造業の高付加価値化,あるいはジェントリフィケーションなどなど,多くの研究が経済地理学においても蓄積されてきた。しかしながら,農産物のブランド化の研究とジェントリフィケーションの研究を同じまな板に載せ得ただろうか。一方は農業地理学の,一方は都市地理学の研究として,別々の研究とみなしてはいなかっただろうか。
ここで考えてみたいことは,両者は同じことが別の形態で発現したものとみなせないかということである。事象としては異なっているものの,あるものに対しての価値づけ,評価を獲得することで,地域が変わりうるという点では同じではなかろうか。「価値づけ」という視点によって,個別の事象としてみられてきたものを,一つのまな板の上で捌けると考える。さらに,それによって成功事例とされてきたものの背後にあるもの,隠されてきた側面など,より立体的な検討が可能になると考えている。
報告者・題目:
山本泰三(大阪産業大学):価値づけと利潤のレント化 ―現代資本主義への視角
川端基夫(関西学院大学):商品の使用価値とローカルな規範感覚
市川康夫(埼玉大学):「大地に帰れ運動」にみるフランス農村のユートピア
―コミューンの理想郷からエコロジーの実践地へ
竹中克行(愛知県立大学):ランドスケープへの価値づけ
―欧州ランドスケープ条約に関わる政策実践を中心に
コメンテーター:山口信夫(愛媛大),荒又美陽(明治大)
座長:荒木一視(立命館大学),立見淳哉(大阪市立大学)
◆フロンティアセッション
報告者:
小林 基(摂南大学):国内農業地域におけるイノベーション過程へのアプローチ
―農産物供給システムの形成および品種転換の事例から―
菅野 拓(大阪市立大学):サードセクターは集積するか?
―イノベーション創出メカニズムの理解から―
◆問い合わせ先および申し込み先
〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1 大阪府立大学 現代システム科学域 水野真彦
e-mail: mizuno(at)hs.osakafu-u.ac.jp
※お手数ですが、(at)を@に置き換えてください。
◆実行委員会
実行委員長:鈴木洋太郎(大阪市大)
ハード部門:石井雄二(委員長,阪南大),池田雄二(阪南大),桜井靖久(阪南大),豆本一茂(阪南大),
秦 洋二(流通科学大),藤原直樹(追手門学院大),松村嘉久(阪南大),
森嶋俊行(四天王寺大),山本俊一郎(大阪経済大)
ソフト部門:水野真彦(委員長,大阪府立大),網島 聖(佛教大),荒木一視(立命館大),
鍬塚賢太郎(龍谷大),佐藤彰彦(大阪産業大),立見淳哉(大阪市立大),藤田和史(和歌山大)
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