2020年度 経済地理学会 岐阜地域大会(中部支部)【第3報】

1.大会テーマ:都市のスポンジ化への抵抗

2.趣旨

 拡大と高密度化を続けていくかと思われた日本の都市は,多くの地域で人口が減少に転じる中で,低密度化など,様々な課題が指摘されている。近年では,都市の内部において,空き地,空き家等の低未利用の空間がスポンジの穴のように存在する「都市のスポンジ化」(国土交通省社会資本整備審議会都市計画基本問題小委員会:2017)が注目されるようになってきている。
 都市の空間構造に関しては,1980年代以降,コンパクトシティの考え方が示され,近年の日本でも「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方を基にした取り組みが進んでいる。2010年代には,立地適正化計画の制度が整えられ,多くの都市で計画策定が進んでいる。
 都市のスポンジ化は,街区単位などより狭いエリアが施策対象となる面もあるが,広域的な視点も必要と考えられる。都市・都市圏において,どこに何があり,どのようにつながっているのかということは,優れて地理学的テーマであろう。ミクロスケールから,都市構造や都市圏構造までのスケールを視野に入れて,生活や産業など複数の領域を含めて考えていきたい。発想を転換すれば,スポンジには吸収しやすいという利点もある。何を吸収していくのが良いだろうか。あるいは,都市のゆとり空間として生かす考え方もあるだろう。都市は今後も高密度化を前提に集約連携型の都市へと向かい,低密度な都市は淘汰されていくのだろうか。それとも産業構造や産業の質(あり方)が変わることで,都市のあり方も変化するのだろうか。
 経済地理学会中部支部が担当する地域大会では,前回(2015年)の金沢地域大会において「地方都市のダウンサイジング」をテーマとした。引き続き今回も,都市,特に地方都市のあり方について議論を深めたい。

[キーワード]

地方都市,スポンジ化,立地適正化計画,都市構造,住宅,リノベーション,産業立地など。

[参考]

荒木俊之(2018):「都市のスポンジ化」に対する地理学的アプローチの有効性.E-journal GEO,13-2,560-566.
国土交通省社会資本整備審議会都市計画基本問題小委員会(2017):「都市計画基本問題小委員会 中間とりまとめ「都市のスポンジ化」への対応」

3.日程:2020年10月17日(土)・18日(日)

 10月17日(土)常任幹事会:14時~16時

評議会:16時~17時

 10月18日(日)エクスカーション:9時~11時30分

シンポジウム :13時30分~16時30分
(懇親会は中止とします)

4.会場

常任幹事会・評議会:中山道加納宿まちづくり交流センター(10月14日(水)開館)
https://www.city.gifu.lg.jp/38088.htm
シンポジウム:じゅうろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)(JR岐阜駅前)
http://plaza-gifu.jp/access/

5.シンポジウム

発表者:荒木俊之(ウエスコ)「中間取りまとめ「「都市のスポンジ化」への対応」-公表後の取組みとその後の展開-」

久保倫子(筑波大学)「空き家問題からみた地方都市のスポンジ化とその対応」

富樫幸一(岐阜大学)「ぎふのまちづくりの今-午前中のまちあるきの紹介から-」

コメンテーター:竹中克行(愛知県立大学)

座長:伊藤健司(名城大学),大塚俊幸(中部大学)

※シンポジウムのみ,現地での開催に加えて,Zoomによるオンラインでの実施を併用します。オンラインでの参加を希望する方は,10月15日(木)12時までに,次のアドレスあてに,メールで申し込んで下さい。申込先と同じアドレスから,ZoomでのミーティングIDとパスワードを10月16日(金)9時頃に送信する予定です。

オンライン参加の申込先: ktogashihonjo@gmail.com (岐阜大学・富樫幸一)

6.エクスカーション「岐阜市の街なかにみられる新しいまちづくりの動き」

集合日時:10月18日(日)午前9時

集合場所:長良橋下の鵜飼観覧船待合所(JR岐阜駅・名鉄岐阜駅より長良橋までバスで15分)

https://www.flat-gifu.com/spot-detail.php?1020

内容:川原町(歴史的な町並みの保存と活用),ぎふメディアコスモス(図書館などの複合施設と市民活動),柳ヶ瀬(サンデービルヂングマーケット)などを徒歩で見てまわる予定です。11時半頃に柳ヶ瀬で解散します(各自で昼食および午後のシンポジウム会場への移動をお願いします)。

定員:15名(先着順)

申込方法:富樫(ktogashihonjo@gmail.com) まで,氏名・住所・生年月日(保険のため)・当日の連絡先(スマートフォンなどの電話番号)をお知らせ下さい。

申込期限:10月12日(月)12時(正午)

7.参加費:シンポジウムとエクスカーションのいずれも無料

8.シンポジウム現地参加に関わる新型コロナウイルス感染症対策

岐阜県および会場施設からの要請に基づき,シンポジウム現地参加者は,次の点を予めご承知おき下さい。

・過去2週間以内に発熱や感冒症状で受診や服薬等をした方、当日具合の悪い方は参加できません。
・イベント等の中で感染者が発生した場合、施設管理者に連絡するとともに岐阜市保健所などの聞き取りに協力して頂きます。また濃厚接触者となった場合は、接触してから2週間を目安に自宅待機の要請が行われる可能性があります。
・現地会場の受付では記名を省略します。代わりに,ご自身の氏名と連絡先(電話番号とメールアドレス)の分かる書面(様式任意。名刺でも可)をご提出下さい(60日間保管します)。
・マスク着用や咳エチケットに留意して下さい。
・会員控え室の用意はありません。

9.実行委員会

実行委員長:富樫幸一(岐阜大学)

ソフト部門:伊藤健司(委員長,名城大学),大塚俊幸(中部大学),竹中克行(愛知県立大学)

ハード部門:杉浦真一郎(委員長,名城大学),阿部亮吾(愛知教育大学),伊賀聖屋(名古屋大学),加茂浩靖(日本福祉大学),近藤暁夫(愛知大学) , 佐藤正志(静岡大学)

10.その他

 以上の予定に関して,9月30日(水)頃に,現地での開催の可否を改めて判断します。その結果を含めて10月3日(土)をめどに学会ホームページで【第4報】を告知します。なお,開催中止の場合,オンラインのみによる開催は予定していません。開催に代わって,後日「経済地理学年報」誌上において,シンポジウム関係者等による発表の機会を設けます。

常任幹事会・評議会は現地開催のみです(オンライン併用はありません)。

【問い合わせ先】

〒461-8534名古屋市東区矢田南4丁目102-9
名城大学都市情報学部 杉浦真一郎
email: sugis(a)meijo-u.ac.jp
※(a)を@に置き換えてください。

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