大会2018年度(第4報)
◇経済地理学会総会および第65回大会のお知らせ【第4報】◇
2018年度経済地理学会総会および第65回大会は下記の要領で開催されます。 ふるってご参加ください。
◆日 程: 2018年5月25日(金) 常任幹事会
26日(土) 評議会、共通論題シンポジウム、懇親会
27日(日) フロンティアセッション、一般研究発表、総会、ラウンドテーブル
28日(月) エクスカーション
◆会 場: 東北大学 理学研究科(青葉山キャンパス)
◆常任幹事会: 5月25日(金) 14:30 ~ 17:00 (理学研究科サイエンスホール)
◆評議会: 5月26日(土) 10:30 ~ 12:00 (理学研究科サイエンスホール)
◆共通論題シンポジウム: 5月26日(土) 13:00 ~ 17:00 (理学研究科大講義室) テーマ:「ポスト支店経済期」における地方中枢都市の中心性の変化
開催趣旨: 札幌、仙台、広島、福岡が「支店経済都市」と位置付けられて久しいが、今日ではこの語句を目にする機会も減っている。今回のシンポジウムでは、これらの地方中枢都市が現在どのような役割を持ち、どのような経済的特徴を形成しようとしているのか、その変化について考える。
地方中枢都市の端緒は戦中にみられる。人口規模の大きな都市を中心に、戦時期に軍事施設が増強されたことにともない、人口規模の大きな都市を中心に支店の集積が進んだ。その後、高度経済成長期を迎えると、支店の性格は従来の人口規模に対応したものから、全国をくまなく営業活動の対象とするテリトリー制へと転換した。これにともない、支店配置のパターンが変化した。札幌、仙台、広島、福岡など地方中枢都市の支店集積は大幅に増加し、それらの都市の経済中心性は飛躍的に高まった。
その後、バブル経済崩壊の頃に、状況に変化が現れた。地方中枢都市の支店数が大幅に減少するわけではないが、「東京一極集中」が強調されるようになった。「支店経済」として特徴づけられていた都市では、IT化の進展、脱大量生産化、企業合併や分社化などによる支店等の再編が起こり、「支店経済」都市としての経済的中心性の特徴を変化させてきている。
他方、高度経済成長期から「流通革命」を背景に、大型店が全国展開を活発化させている。郊外型大規模ショッピングセンターやアウトレットモールなどの果たす役割が大きいが、地方中枢都市では中心市街地への大型店の進出も少なくない。このような商業機能の集積が都市の支店経済とは異なる経済的中心性を高めている。なお、この背景としては高速道路網や高速バス路線網の整備など、交通インフラの整備があることも指摘しなければならない。
さらに近年では商業機能に加えて、地方中枢都市にイベント・レジャー機能が集積し、各種プロスポーツのホームの立地などと相まって、集客機能を向上させている。「支店経済」時代の「地方の統括機能の集積」とは異なり、商業・レクリエーション機能の集積が地方中枢都市に新しい中心性をもたらしているのではないだろうか。このような中心性の変化は、都市の性格そのものも変化させる。
本学会では2017年度の大会(明治大学)で「世界都市東京論の再考」をテーマとしてシンポジウムを開催し、今日の東京問題、そして東京の将来像について議論した。2018年度大会ではこれを受けて、「支店経済」が注目されるようになった1980年代からから30年以上を経て、札幌、仙台、広島、福岡などの地方中枢都市がどのように変化したのか、その地域的役割と経済の特性について考えてみたい。
趣旨説明: 初澤敏生(福島大)
基調報告: 千葉昭彦(東北学院大):戦後仙台の都市機能・拠点性の変遷
報 告: 川瀬正樹(広島修道大):人口流動と開発動向からみた広域中心都市・広島の変容
小栁真二(九州経済調査協会):支店経済都市・福岡の変容
平澤亨輔(札幌学院大):札幌市の支店経済の動向と新たな産業の展開
コメンテーター:日野正輝(中国学園大)、田村大樹(北九州市立大)
司 会:初澤敏生(福島大)
◆懇親会 5月26日(土) 18:00~20:00
東北大学北青葉山厚生会館(理薬生協)
参加費は一般5,000円、学生・院生3,000円 当日受付
◆フロンティアセッション 5月27日(日) 9:15 ~ 11:15 (理学研究科大講義室)
佐藤彩子(鳥取環境大):介護サービスの産業特性と労働市場の構造-福岡県の場合-
小泉諒(神奈川大):バブル経済期以降の東京大都市圏における職業構成の空間的パターンとその変化
座長:加茂浩靖(日本福祉大)・中澤高志(明治大)
◆総会 5月27日(日) 11:15 ~ 12:45 (理学研究科大講義室)
◆一般研究発表 5月27日(日) 13:30 ~ 16:30
第1会場(合同A棟第2共通講義室)
座長:土屋純(宮城学院女子大)
101 松尾昌宏(桜美林大):コンテナ物流革命と、グローバル地域発展空間構造の再編
102 新田康博(大阪府立大・院):「文化的景観」と観光アクティビティによって捉えられる景観の差異に
ついて――大阪府泉佐野市「日根荘大木の農村景観」を事例に――
座長:柳井雅也(東北学院大)
103 山本健兒(帝京大):グローバリゼーションとオーストリア・フォラールベルク州における産業構造
転換政策
104 堤悦子(北海商科大)・ペーニャ ゴンザレス ルイス エドアルド(長岡技術科学大・院) :
北海道150年にみる日米の酪農産業
第2会場(合同A棟第第3共通講義室)
座長:関根良平(東北大)
201 初澤敏生(福島大):福島県南相馬市原町区における震災後の製造業の動向
202 高野岳彦(東北学院大):三陸沿岸漁業の復興と二つの自立モデル ― 追波湾沿岸の漁村から
座長:岩動志乃夫(東北学院大)
203 櫛引素夫(青森大):これから着工・開業する新幹線地域に地理学は何ができるか−『新幹線学』検討の
可能性
◆エクスカーション 5月28日(月) 8:30~17:00(仙台駅東口集合・解散)を予定。借り上げバスを利用。
満席となりましたので申込受付を終了いたします。多数のお申し込みありがとうございました。
テーマ:東日本大震災被災地の新しいまちづくり
東日本大震災では、多くの市街地が被災し、現在新しいまちづくりが進められている。しかし、まちづくりは地域の復興のあり方と直接的に結びつき、また、地域の産業のあり方などとも結びついているために、その現れ方は地域により大きく異なっている。今回は石巻市と女川町を例に、新しいまちづくりの動向を検討したい。
コース(予定): (諸般の事情により変更する可能性があります。)
8時30分 仙台駅東口発(借り上げバス使用)
10時30分~11時30分 女川町まちづくり株式会社訪問
11時30分~13時00分 女川町のまちづくりを徒歩で見学しながら各自昼食
13時00分 女川駅前発
13時30分~14時30分 魚市場視察(須能社長より)
バスで移動(約20分)
14時50分~15時50分 石巻市役所にて復興状況に関する説明を受ける
石巻市全体的な復興状況と産業(水産業・工業・商業等)について
15時50分石巻市役所出発
17時 仙台駅到着・解散
参加費: 3000円
定員: 30名(先着順にて承ります。)
参加申し込みは、下記の初澤までお願いします。
◆要旨集 2018大会要旨集 大会参加者はダウンロードし(無料)、大会に持参してください。
◆大会参加費:1,000 円
◆問い合わせ先及びエクスカーション申し込み先
〒960-1296 福島市金谷川1 福島大学人間発達文化学類 初澤敏生
e-mail: hatsuzaw(at)educ.fukushima-u.ac.jp
お手数ですが、(at)は@に置き換えてください。
◆実行委員会
実行委員長:小金澤孝昭(宮城教育大学)
ハード部門:関根良平(東北大学)、岩動志乃夫(東北学院大学)、佐々木達(宮城教育大学)、
庄子元(青森中央学院大学)、土屋 純(宮城学院女子大学)
ソフト部門:初澤敏生(福島大学)、櫛引素夫(青森大学)、高野岳彦(東北学院大学)、
千葉昭彦(東北学院大学)、宮原育子(宮城学院女子大学)、柳井雅也(東北学院大学)、
山口泰史(フィデア総合研究所)